風邪で労災は使えるか

雨の中で仕事をして風邪をひきました。労災はおりますか?

労災がおりる可能性は、0(ゼロ)に近いです。

 

労災認定されるの可能性は低い

風邪(風邪症候群)は、発病の原因が就労にあるとは判断されません。
就労しても就労しなくても風邪をひくことはあります。業務が直接の原因で風邪をひいたとは考えにくく、労働災害にはあたらないでしょう。
また、就労で症状が悪化したとしても労災の対象とはなりません。

 

労災として認定されるためには、仕事中に発症しただけではなく、仕事との因果関係が必要です。
たとえば、雨天時の外での作業をしたという状況で考えてみた場合、作業前に風邪を引いていたのであれば、当然因果関係はありませんし、仮に雨に濡れたことで風邪をひいたのだとしても、雨に濡れたことと風邪との因果関係を立証するのは困難です。

 

風邪の症状を会社に申告したにも関わらず、風邪を悪化させるような業務命令を会社が行った場合には、労働災害の可能性がありますが、それでも立証は難しいと言えます。。

 

そもそも、労災保険は、事業主が負う責任を代替したものであり、仕事との因果関係が不明な傷病に関して事業主に責任を負わせるのは適切ではありません。
そのため、風邪で労災がおりる可能性は、一般的にはとても低いです。

 

労災の申請は可能

もちろん、労災の申請をするのは自由です。納得がいかないようでしたら、労災がおりる(労災認定される)可能性がとても低いことを認識した上で、労災申請をしてみるのも良いでしょう。労災申請は、労働基準監督署へ行って書類を書くことで、会社を通さなくても申請できます。