学生も社会保険に入る必要があるのか
1日6時間、1週6日ぐらいでシフトに入っています。
勤務先で、社会保険に入らなければならないと言われました。
学生は社会保険に入らなくて良いのではないですか?
結論から書くと
健康保険や厚生年金には入らないといけない。保険料の支払も必要になる。
雇用保険には入れない。
労災保険は当然に入るが、保険料は会社が払うので不要。
です。
社会保険
社会保険は大きく分けて2種類、小さく分けると4種類あり、次のようになります。
- 労働保険
- 雇用保険
- 労災保険
- 社会保険
- 健康保険
- 厚生年金保険
労働保険
このうち、労災保険は全員加入であり、保険料も全額会社負担です。
雇用保険は、原則として昼間の学生は加入できません。
社会保険
健康保険と厚生年金保険は、加入要件が同じで、次のようになっています。
アルバイトやパートなどの短時間勤務の人が社会保険に加入しなければならない基準は、次の2種類あります。どちらかの基準に当てはまると、社会保険に加入しなければいけません。
- 「1週の所定労働時間」と「1か月の所定労働日数」が、通常の労働者(正社員)の4分の3以上である場合
- 社会保険の加入者が常時501人以上の企業で働く短時間労働者で、次のイ~ニのすべての要件に当てはまる場合
- イ.1週間の所定労働時間が20時間以上ある
- ロ.雇用期間が1年以上見込まれる
- ハ.賃金の月額が8.8万円以上である
- ニ.学生でないこと
1は2と異なり、すべての会社が対象となります。
2は、H29.4に改正があり、500人以下の企業でも、労使が合意し社会保険の適用の拡大を申請している場合には、501人以上の企業と同じ扱い(社会保険に加入すること)になります。
加入要件の見かた
1の要件で社会保険の加入要件を満たすのか、満たさないのであれば2の要件で満たすのかという順番で見ていきます。
学生は社会保険に加入するのか
上で書いた社会保険加入要件の1のように、「1週の所定労働時間」と「1か月の所定労働日数」が、通常の労働者(正社員)の4分の3以上である場合には、学生であっても社会保険に加入しなければなりません。
2の場合であれば、社会保険の加入要件が「学生でないこと」となっているので、学生は加入できません。
質問のケース
質問のケースでは、1日6時間、1週間に6日の勤務とのことですので、1の要件を満たしている可能性が高いです。
なぜなら、一般的な正社員の労働時間は、1日8時間、1週間5日、週40時間の労働が基本です。その3/4は週30時間です。質問のケースでは1週36時間の労働となり、一般的な正社員の1週間の所定労働時間の3/4以上となっています。また、週6日勤務とのことであり、こちらも月の所定労働日数の3/4未満になるということが考えにくいです。
つまり、このケースの場合、「週の労働時間」と「月の所定労働日数」がともに正社員の3/4以上あり、学生であっても社会保険の加入が必要になるということです。